1025年3月 地獄巡り討伐【後編】
- 2020/05/06
- 21:00
今回は1025年3月に地獄巡りで奥義祭りした討伐から帰還したところから。

…はい。
瑚亜楽はまだ立っていたのですが…

先に病で倒れてた臣音がもう寿命でした。

彼、氏神である田力主頭一様と鶏子ちゃんの子供なんですよね。だいぶ血の気の多い両親から生まれたのが、家内安全が信条な子なのどういうこっちゃ…なんて思ったのも随分遠い昔の話のようです。

素質点自体は瑚亜楽に劣るし体力に不安はあったものの、戦闘センスは良かった気がします。すぐにお父さんが使っていた奥義を復活させたり、技水は低いけどその他の技はまあまあ伸びてくれていたので補助術なんかの覚えは良かったんですよね。


先に病で倒れてた臣音がもう寿命でした。

彼、氏神である田力主頭一様と鶏子ちゃんの子供なんですよね。だいぶ血の気の多い両親から生まれたのが、家内安全が信条な子なのどういうこっちゃ…なんて思ったのも随分遠い昔の話のようです。

素質点自体は瑚亜楽に劣るし体力に不安はあったものの、戦闘センスは良かった気がします。すぐにお父さんが使っていた奥義を復活させたり、技水は低いけどその他の技はまあまあ伸びてくれていたので補助術なんかの覚えは良かったんですよね。

そういうところは戦闘で活躍していたお父さんやお母さんに似ていたのかもしれませんね。二ツ髪戦では走竜の薙刀を家に忘れるというお茶目な一面も(それは後ろの人のせい)
そこから臣音はちゃんと走竜の薙刀を手に当時の家族と一緒に髪をばっさばっさとなぎ倒していきました。ほんと、当時の髪切り面子って紗緒楽ちゃん鶏子ちゃん瑚亜楽に臣音だったんですけど、多少の不安はあれど、きっと勝てると謎の自信に満ち溢れてたもんな。あの4人なら髪切り割とどうにかなるって思わせてくれた。

ただ、そんな快進撃は髪討伐の間ずっと順調に行くわけではありませんでした。お姉さんである紗緒楽ちゃんやお母さんの鶏子ちゃんが寿命で健康度を下げ始めちゃうんですよね…そんな動揺の中で、臣音は交神で自分の弱点である水能力を補う為に卜玉ノ壱与様と交神しました。

…紗緒楽ちゃんを氏神として見送った後、6月の白骨城で臣音はお母さんの鶏子ちゃんを戦闘で亡くしてしまいます。


ただ、そんな快進撃は髪討伐の間ずっと順調に行くわけではありませんでした。お姉さんである紗緒楽ちゃんやお母さんの鶏子ちゃんが寿命で健康度を下げ始めちゃうんですよね…そんな動揺の中で、臣音は交神で自分の弱点である水能力を補う為に卜玉ノ壱与様と交神しました。

…紗緒楽ちゃんを氏神として見送った後、6月の白骨城で臣音はお母さんの鶏子ちゃんを戦闘で亡くしてしまいます。

この敗走、臣音にとって一番衝撃的な出来事だったんじゃないかなと思っています。彼にとって、一族ってみんな氏神なんですよね…お父さんも、おじいちゃんも、先に逝ったお姉さんの紗緒楽ちゃんも。それが、お母さんの鶏子ちゃんだけは戦死してしまい、しかも氏神になることはありませんでした。きっと7月はすぐにでも白骨城行きたかったんじゃないかな…臣音。
ぐっと堪えて、真縫を育ててくれた臣音は、瑚亜楽、真縫と一緒に8月にリベンジを果たし、7本髪の討伐を成し遂げてくれました。白骨城に鶏子ちゃんはずっといたんじゃないかな。地獄の解放と同時に、見たくなかったものも、きっと見ちゃったんだろうな。
でも、一族はそこで立ち止まることはできません。当主である瑚亜楽に続いて、火の術を操り、地獄の奥を目指します。
臣音は本当によく頑張ってくれました。信条である家内安全を胸に、家族のことをずっと考えてくれてたと思います。
病に倒れても、お父さんやお母さんがそうしてきたように、最後まで走り切ったよね。それが、きっと、子供である獺介も見た、臣音の最後の奥義でもあったんじゃないかな。
化けて出てきたらかぁ…
ずっと一緒に戦ってきた瑚亜楽にも獺介にも真縫にも言ってそうな遺言だなって思いました。もしかしたらみんな聞いてたのかもしれませんね。
ずっと一緒に戦ってきた瑚亜楽にも獺介にも真縫にも言ってそうな遺言だなって思いました。もしかしたらみんな聞いてたのかもしれませんね。
家族に殴られたくらいで、臣音にとってはなんでもないんだろうな。
自分がいることで不都合があるくらいなら、家族に殴られてでも迷惑かけたくないんだろうな。
きっと臣音にとって、一番安心することは家族が健康で幸せでいることなんだろうな。
…それを思うと臣音にとって家族に対して心配しかないひと月だったな…そら化けて出るかもしれないが、それってどういうこっちゃ。
最初は、理由はどうあれもし氏神として出てきたりしたらもう奉るのは止めて欲しいとか、そんな意味なのかなって思ったんですけどね…
そりゃここまで頑張ってきたんだから、あとは臣音にゆっくり休んでもらいたいという気持ちも、あったりはしたんですけどね…
はい。氏神のお話。
実は臣音だと氏神ってちょっと難しいかな…とは思ったんですけど、そんなことありませんでした。
臣音、化けて出るってこういうこと…?それともまた別の意味があるの…?
そんな臣音の氏神名を見て、ちょっと泣いてしまいました。
頭一大文字かぁ…
送り火じゃないですか。そんな、氏神の家族に囲まれた臣音にとって送り火で導いて慰めたい人なんて、一人しかいないじゃん…
戦死して、氏神にはなれなかった鶏子ちゃんの為の火なんじゃないのそれ…
氏神の子供だった臣音、下界でその命が終わった後は氏神になるということ自体がもしかして臣音にとっては普通のことだったんじゃないの?お父さんの田力主頭一も氏神で、おじいちゃんの北天ノ頭一も氏神で、お姉さんである豊穣種頭一も氏神だ。お母さんの鶏子ちゃんだけ、臣音の中にある普通の亡くなり方ができなかった身近な人だったんじゃないの…
じゃあ化けて出るっていうのは、本当に鶏子ちゃんのことを未練に思って、お化けや鬼になって現世に残ってしまった時のことを言ってたのかもしれない。もし、臣音が氏神になれず、成仏もできず、家族に目に見える形で残ってしまった自分は、自分も家族も望む姿じゃないし、迷惑がかかるから、その時は遠慮なくこの世界から消してねって、そういうことだったのかな。
お化けとかいるのかって思うけど、氏神様の存在が普通である臣音にとっては、ほんとにそういう存在も普通だったのかもしれないな…(実はほんとにそういうの見えてたのかもしんない)
そんな風に考えてたらさ…
臣音をお奉りする他、なかったんだよな…
…そっか、そう思うと家族をまだまだ見守っていなきゃならないって想いもあったのかもしれないな。あんなボロボロで無茶な成長ばかりしてた真縫に獺介、瑚亜楽もまだ生きているのに、自分がいなくなった後の家族…そりゃ気になるよな。
それなのに化けて出てきちゃ、見守っていくどころの話じゃなくなるもんな。
でも、臣音が氏神になってくれるのは正直安心感があるのも事実ではあります。
家内安全の信条を持っている臣音なら、今まで戦ってきたご先祖のことも、これから頑張る子孫のことも、勿論今の家族も、きっと優しく末永く見守ってくれる筈だもん。